「幻の日本蜜蜂の蜂蜜」は、日本に古来から生息しているため環境に順応している蜜蜂「ニホンミツバチ」。その蜜蜂から採れる蜂蜜のことを指します。
近年、その数が年々激減しており、年間に採れる蜂蜜も、一般的な養蜂業で飼育している西洋蜜蜂では、年間に、ひとつの群れで70kg~90kg採取できるのに比べ、日本蜜蜂は、たった3~5kgと、とても少ない量なのです。
セイヨウミツバチの蜂蜜採取風景(一つの敷地に多数の大きな巣箱があります。)
ニホンミツバチの巣箱内の蜂蜜(一つの敷地に1~3箱の小型の巣箱が一般的)
実は、国内で販売されている蜂蜜のほとんどが外来種である西洋蜜蜂から採れる蜂蜜なのです。
スーパーや蜂蜜専門店などで、「国産蜂蜜」と記載されている蜂蜜も含め、そのほとんどが、西洋蜜蜂から採れる蜂蜜なのです。
先にも記したように、養蜂業として、日本蜜蜂での生業では採蜜量がわずか過ぎるため、やはり、明治時代から輸入されている採蜜量の多い西洋蜜蜂に委ねるしかないのです。
また、西洋蜜蜂は、夏から秋にかけて、蜜蜂の巣を襲いに来る天敵のスズメバチへの対抗策を持っておらず、一度、戦いを挑まれたら、人間の手を借りないと群がまるごと全滅してしまいますし、日本の環境下での病気や感染症にもとても弱い蜜蜂なので、家畜として人間の管理下でないと生きていけません。
西洋蜜蜂自身も、そのことを理解しているかように、家畜という環境から逃げ出すことはないので、年間を通して、安定した蜂蜜の採取ができやすくなっています。
しかしながら、日本蜜蜂は、古来より日本に生息しているため、その環境に順応しており、スズメバチへの対抗手段(熱団子)なども心得ているため、群の全滅を逃れることもできます。
また、国内で発生する病気や感染症にも強く、本来の自然の中で暮らせる術を持っているため、「蜜源が少ない。」・「天敵が多い。」・「多くの巣箱が隣接している。」などなど、少しでも、飼育環境が気に入らないと巣箱から逃げてしてしまい、家畜として適さない蜜蜂なのです。
それらのことから、養蜂業として適さない日本蜜蜂の蜂蜜は、国内の生産量もごくわずかな上に、流通経路も確立されていません。最近では、フリマサイトやオークションサイトで、個人間での売買はあるものの、やはり、希少価値の高い蜂蜜と言えるでしょう。